Webデザイナー 竹田こんにちは!
ナマステデザインラボの竹田です!
ホームページやチラシを作り直したのに、なぜか垢抜けない。文字も整えたし、色も落ち着いた雰囲気にしたのに、他の教室のページと並べると少しだけ野暮ったく見える——ヨガ・ピラティス教室の先生から、そんな相談が届くことがあります。
原因がデザインではなく写真だった、というケースはとても多いです。教室のホームページやチラシは、面積の大半を写真が占めます。どんなに文章を練っても、先に目に入るのは写真のほうです。
とはいえ「じゃあプロのカメラマンを呼びましょう」とは、なかなか言えません。開業したばかりの教室にとって撮影費は小さくない出費ですし、季節ごとに撮り直すこともできません。
スマホで撮った写真でも大丈夫です。ナマステデザインラボでは、お預かりした写真を1枚ずつ調整して、ホームページやチラシに使える状態に仕上げています。この記事では、実際のレタッチ工程を全部お見せしながら、「レタッチで直せるもの・直せないもの」と、先生ご自身が撮るときのコツまで整理します。
生徒さんは、レッスン内容より先に「写真」を見ている
体験レッスンを探している人の動きを思い出してみてください。スマホで「地域名+ヨガ」と検索して、出てきた教室のページを上から順に開いていきます。1ページにかける時間は数秒です。その数秒で読んでいるのは、料金表でもレッスンの説明でもありません。写真から伝わる「雰囲気」と「どんな人がいるのか」です。
たとえば、産後で体力が落ちているママさんが探しているのは「子どもを連れて行っても浮かない場所か」。仕事帰りに寄りたい初心者の方が探しているのは「自分ひとりだけ動きが違っても大丈夫そうな空気か」。更年期の不調で運動を再開したい50代の方なら「若い人ばかりじゃないか」。どれも文章では答えにくく、写真のほうが速く答えられる質問です。
ここでよくあるのが、フリー素材だけでページを埋めてしまうパターンです。きれいな写真ではあるのですが、それが並んだページからは「この教室がどんな場所か」が何も伝わりません。
判断基準はシンプルです。先生本人と、実際のスタジオが写っている写真が1枚もないホームページは、生徒さんの不安に答えられていません。ページに載せる情報の優先順位で迷っているなら、HPに必要な情報とは?とあわせて、写真の枠を先に確保してから文章を考えると整理しやすくなります。
スマホ写真でも大丈夫。ただし「直せるもの」と「直せないもの」がある
まず、実際の素材を見てみましょう。


これはナマステデザインラボで宣材写真を撮影したときの、加工前の写真です。撮影機材はiPhone。三脚を立てて、セルフタイマーで撮影しています。いわゆる「素人写真」です。
制作側の目で見ると、気になる点がいくつも出てきます。
- 写真全体がわずかに斜めになっている
- 背景に敷いた白い紙が途中で途切れて、壁と床が見えている
- ブランドカラー(緑)で小物を揃えたかったが、手元に緑の小物がなかった
- 1人だけ、指定の白い服ではなくアイボリーがかった服を着ている
- 天井のライトの位置の関係で、顔に影ができている人がいる
- 「もう少し細く見せたい」「クマを消したい」など、個々人の希望がある
一見すると使えなさそうですが、これらは全部レタッチで解消できます。
直せるもの・直しにくいものの線引き
先生に知っておいていただきたいのは、この線引きです。ここが分かっていると、撮り直しの手間がぐっと減ります。
レタッチで直せること
- 傾き・建物や壁のゆがみ
- 全体の明るさ、色味(暖かい/涼しい印象の調整)
- 背景の写り込み(コンセント、荷物、他の人など)
- 背景を白く飛ばす、少し引き伸ばして余白を作る
- 肌のトーン、クマ・シミ・小じわを自然な範囲で整える
- 体や腕のラインをわずかに整える
- 服や小物の色の変更
- 顔にかかった影を起こす
直しにくいこと
- ピントが合っていない、手ブレしている
- 目をつぶっている、表情がこわばっている
- 逆光で顔が真っ黒につぶれている
- 画像を極端に拡大トリミングしていて粗い
- 画角が狭すぎて、そもそも必要な範囲が写っていない
つまり、光・ピント・表情・画角の4つだけは撮影時に押さえる。あとは制作側で何とかできる、と考えていただいて大丈夫です。
なお、スマホの写真はWebには十分でも、チラシやパンフレットのように紙で大きく使う場合は解像度が足りないことがあります。印刷会社によって推奨される条件は異なるので、紙の予定があるなら「どのくらいの大きさで使うか」を撮影前に制作側へ伝えておくと安心です。
レタッチ手順を公開します
では、先ほどの1枚がどう変わっていくのか、工程を順番に見ていきます。
①写真のゆがみ・傾きを補正する
最初にやるのは、傾きとゆがみの補正です。ここで土台をまっすぐにしておかないと、あとの工程がすべてずれていきます。


②全体の明るさを調整する
ストロボを使っていても、素人撮影の写真は暗く沈みがちです。明るさを足して、ヨガ・ピラティスらしい軽さのある印象に寄せます。


③背景を真っ白にする
途中で途切れていた背景紙の外側、壁と床を消して、背景を真っ白に仕上げます。


余計なものが消えるだけで、ぐっとすっきりしました。この処理をしておくと、あとでホームページのバナーやチラシの見出し横に配置するときに、文字を載せる余白としても使えます。
④体のラインを自然に整える
「腕や体をもう少しほっそり見せたい」という希望に応える工程です。


どこが変わったか、すぐには分からないかもしれません。それでいいのです。やりすぎないことが、この工程のいちばん大事なポイントです。
⑤肌の悩みを自然に整える
顔の赤み、目の下のクマ、シミ、小じわなどを整えます。


ここも同じで、あくまで自然に。「疲れて見えない」くらいで止めます。
⑥服の色を揃える
この撮影では「白い服」の指定がありましたが、1人だけ手持ちがなくアイボリーの服になっていました。そこで色味を調整して、他のメンバーの白に近づけます。


⑦小物の色をブランドカラーに統一する
撮影時に緑の小物を全員分そろえるのは大変だったので、「あとで色を変えよう」と決めて、各自が手持ちの小物を持ち寄りました。


ブランドカラーの緑に統一できました。教室でも同じ考え方が使えます。ヨガマット・ブランケット・ブロックの色がバラバラでも、撮影を止める理由にはなりません。
⑧顔の影を消す
天井のライトが真上から当たっていたため、顔に影ができていました。プロの撮影では正面から光を当てるので起こりにくいのですが、これは素人撮影ならではです。


完成|最初の1枚と並べてみる
最初の写真と、仕上がりを並べてみます。




同じスマホで撮った1枚とは思えないくらい印象が変わりました。このほかにも、背景の不要なものを消す、背景を引き伸ばして余白を作る、表情にほんの少し笑みを足す、といった処理をすることもあります。
なお、どこまでレタッチを行うかは制作会社によって対応範囲が異なります。見積もりの段階で「写真の調整はどこまで含まれますか」と聞いておくと、あとで慌てずにすみます。デザインをどこまで任せるかの考え方は、想いをちゃんと届けるために、デザインは“まるっと”プロに頼っていいでも触れています。
先生ご自身で撮るときの5つのコツ
レタッチで直せる範囲が広いとはいえ、元の写真がよければ仕上がりはさらによくなります。次にスマホで撮るとき、この5つだけ意識してみてください。
1. 光は「窓からの自然光」を正面に
いちばん効くのがこれです。天井のライトだけで撮ると、さっきの工程⑧のように顔に影が落ちます。窓を正面にして、顔に自然光が当たる向きに立つだけで、影がぐっと減ります。時間帯は午前中から昼過ぎがおすすめ。意外かもしれませんが、薄曇りの日は光がやわらかく回るので、ポートレートは撮りやすいです。
逆に、窓を背にして撮る(逆光)と顔が暗くつぶれ、これはレタッチでも直しにくい部類に入ります。
2. 背景は「1面だけ」きれいにする
スタジオ全部を片付ける必要はありません。撮る方向を決めて、その1面だけ荷物をどけます。カバン、段ボール、掃除道具、貼り紙。この4つが消えるだけで生活感はほぼ抜けます。
3. 服は無地・体のラインが分かるもの
柄物はレタッチで色を整えにくく、背景と喧嘩することもあります。無地で、体のラインが分かるウェアが無難です。教室のブランドカラーがあるなら、その色を1点だけ入れると、ホームページやInstagramと世界観がつながります。
4. 縦・横・正方形を1回の撮影でそろえる
これは後から効いてくる工夫です。同じポーズを、縦位置・横位置・正方形(引き気味)の3パターンで撮っておきます。横位置はホームページのトップ画像に、正方形はInstagramのフィードに、縦位置はリールやチラシに使えます。1回の撮影で複数媒体の素材がそろうので、次の撮影までの間隔をぐっと空けられます。写真のストックがあると更新も続きやすくなるので、放置したHPはもったいない!更新が続く教室の秘訣とあわせて考えてみてください。
また、被写体のまわりに少し広めの余白を残して撮っておくと、あとでどんな比率にも切り出せます。ぎりぎりで撮った写真は、トリミングの逃げ場がありません。
5. 同じ構図を3〜5枚撮る
セルフタイマーで撮ると、目をつぶっていたり表情がこわばっていたりが必ず起こります。同じ構図で3〜5枚撮っておけば、そこから選べます。表情はレタッチで作れないので、ここは枚数で解決するのがいちばん確実です。
なお、撮った写真をメッセージアプリで送ると自動的に圧縮されることがあります。制作会社に渡すときは、元のデータのまま共有できる方法(クラウドの共有リンクやファイル転送サービスなど)を使うと安心です。
レタッチは「盛る」ためではなく、本当の魅力に近づけるため
「そこまで加工していいのだろうか」と感じた先生もいるかもしれません。大事な感覚だと思います。
判断基準として持っておきたいのは、体験レッスンで初めて会ったときに、生徒さんが違和感を持たない範囲かどうかです。写真と実物がかけ離れていると、来てくれた瞬間に小さな失望が生まれます。体験から継続につなげたい教室にとって、これはいちばん避けたいことです。
レタッチの目的は別人に見せることではなく、その場の空気や先生の人柄を、写真に写らなかった分だけ取り戻すことです。工程②の明るさ調整も③の背景整理も、実物に近づける作業だと考えると分かりやすいと思います。
もうひとつ注意点があります。姿勢や体型のビフォーアフター写真を集客に使う場合です。実際より効果があるかのように見せる表現は景品表示法の対象になりますし、整骨院や治療院を併設している教室では、医療広告に関する規制も別途関わってきます。撮影条件(立ち位置・服装・光)を揃える、加工しない、といった扱いが基本になるので、掲載前に確認しておくと安心です。生徒さんの信頼を積み上げる見せ方については、生徒の声が集客の鍵も参考になります。
まとめ
写真は、教室のホームページとチラシの印象を最も左右する要素です。そして、プロに撮ってもらわないと使えない、ということはありません。
- 生徒さんは、レッスン内容より先に写真で「雰囲気」と「どんな人か」を判断している
- 傾き・明るさ・背景・肌・体のライン・服や小物の色・顔の影は、レタッチで整えられる
- 一方で、ピント・表情・逆光・画角の不足は直しにくい。撮影時に押さえるのはこの4つだけ
- 自分で撮るときは「窓からの自然光を正面に」「背景は1面だけ片付ける」「縦横正方形を3パターン」「同じ構図を3〜5枚」
- レタッチのゴールは盛ることではなく、体験レッスンで会ったときに違和感がない範囲で本来の魅力に近づけること
まずは次のレッスンの前後に、窓の近くで数枚撮ってみてください。それだけで、ホームページに載せられる素材は増えていきます。
「写真に自信がなくて」という状態からで大丈夫です。ナマステデザインラボは、ヨガ・ピラティススタジオ専門で、写真の調整からホームページ・体験予約までの導線づくりまで一緒に整えています。手元の写真が使えるかどうかの判断からでも、お気軽にご相談ください。
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参考・参照URL
※法令の解釈は個別の事情によって変わります。ビフォーアフター写真の掲載や、整骨院・治療院を併設している場合の表現については、掲載前に所管の窓口や専門家への確認をおすすめします。スマホの保存形式まわりの設定名称は、機種とOSのバージョンによって変わります(暫定情報として扱ってください)。
















